中国医学の根源はどこにあるのか

清野充典

2011年02月17日 21:45

 4回にわたり、近代における日本と中国の医学・医療の歴史を振り返りました。話の内容はとても固く、興味のない方にはまるっきりおもしろくない話だと思いますが、毎日コンスタントに10人前後の方よりアクセスしていただいていることに驚いています。

 今日からは、近代の鍼灸治療のもとになった中国思想とはいったい何なのかを論じてみたいと思います。

 その前に、「近代」を何時と捉えるのかを言っておりませんでしたが、日本は明治期以降を想定してお話ししております。

 これから話を転じるのは、中国古代についてです。「古代」を何時とするのかを含めて、話を進めて参ります。

 【本文】

 「医療」を施すためには、身体の異常をどのように捉えるかが問題になる。

 「身体を分析すること」を「医学」だと定義するなら、「医学」と「医療」は一体でなければならない。

 「西洋の医療」は、「医学」に基づいて「医療」を構築してきた。そのため、「医学」と「医療」は比較的一致しているが、逆に医学が確立されていない「病気」に對し、「医療」を発展的に行うことが出来ないなどの弊害が生まれて来ている。

 これに対し、「中国の医学」は、「医療」が優先的に行われ、「医学」の構築が十分に行われて来なかった面がある。

 現状では、「医学」に基づいて「医療」を行っているとは言い難い。

 「医学」と「医療」に整合性が無いからである。

 しかし、古来より健康を逸脱したヒトを「病気」になったと捉え、「鍼灸治療」や「湯液治療」等の「医療」を「病人」に行って来たそれらの方法は極めて有効である。

 「医学」の構築が不十分であるにもかかわらず、有効な「医療」を生み出した根源は何処にあるのだろうか。

 もしあるとしたら、それはどんな点なのか素朴に知りたいところである。

(つづく)

平成23年2月17日(木)
 清野充典 記


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