中国医学の根源はどこにあるのか 3

清野充典

2011年03月06日 11:26

 中国医学とはなにかの検証を始めています。今日はその3回目です。前回、前々回の内容をお読みになった後、今回のブログをお読みいただきたいと思います。中国思想を学ぶ上で、古代思想は重要ですが、では「古代」とは何時を指すのかを論証しています。
 時代を表す視点として、「中国歴史学」・「中国思想史」・「中国医学史」の観点から検証してみています。前回は、「中国歴史学」の視点から「古代」を論じました。今回は、「中国思想史」の視点から論じています。
 なお、前回まで、本文の漢字は、現在用いられている簡体字に変換して論を述べていましたが、今回より正字(旧漢字)のままで論じさせていただきます。

【本文】

 第二に、「中國思想史」の時代區分では、先秦・両漢・魏晋南北朝・隋唐五代・宋元明・清・民國以降と區分されることが多いようである。

 武内義雄は「上世期〔上〕=諸子時代(春秋末~前漢景帝)、上世期〔下〕=經學時代(前漢武帝~後漢)、中世期=三教交渉の時代(三國~唐玄宗)、近世期=儒教革新の時代(唐肅宗~現在)」と區分しているが、明確な區分について言及していない。
 
 「古代」は、多くの本で用いられているが、明確な定義を述べているものは見當たらない。

 自分なりに整理すると、1.上古より戰國末とするもの、2.漢初までとするもの、3.後漢末とするものの三種類を主に擧げられると考えられる。

(つづく)

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