医学と医療
2011年05月13日
近代の鍼灸治療のもとになった中国思想とはいったい何なのかを論じるために、「中国医学の根源は何処にあるのか」を、5回にわたり検証してきました。
ここでは、まず「上古より戰國末まで」と定義した「古代」の中国思想を見て参りたいと思います。
中国思想を学ぶためには、中国地方にだけ目を向けても分かりません。人の流れは時代とともに移り変わります。それに伴い文明が生じ、文化交流が起き、言葉が変わります。用いる道具にも変遷があります。
今日からは、医学と医療について述べていきます。本文は、正字(俗称旧漢字)にしています。
【本文】
人類の歴史は、相當長い。未だ特定できていないが、少なくとも四五〇萬年前に人類が誕生していることは確認されている。
ヒトが、日常行う生活動作を十分營むことが出來なくなり、それを「病気」と捉えたときから「醫療」が始まったと考える。
二〇世紀後半より「ギリシャの醫學」が「西洋の醫學」の基本思想に於いて土台となり、世界の中心的役割を担うようになったが、身體を捉える考え方は、「中國の醫學」、「インドの醫學」、「チベットの醫學」、「アラビアの醫學」などと比較して異なっている。それに伴い「醫療」も異なっている。
世界で行われている「醫療」は多種多樣である。細かな點の違いを含めて考えると、「醫學」と「醫療」は、國の數・地域の數・ヒトの數ほどあると認識している。
「鍼灸醫療」を行う現場にいる論者は、「病気」を取り除き、健康體を獲得することを目的として「醫療」を行っているが、同じ目的で行っていることでも、僅かに異なる思想の違いが、大きく異なる醫療技術を生み出す原因に繋がっていることを實感しているからである。
(つづく)
ここでは、まず「上古より戰國末まで」と定義した「古代」の中国思想を見て参りたいと思います。
中国思想を学ぶためには、中国地方にだけ目を向けても分かりません。人の流れは時代とともに移り変わります。それに伴い文明が生じ、文化交流が起き、言葉が変わります。用いる道具にも変遷があります。
今日からは、医学と医療について述べていきます。本文は、正字(俗称旧漢字)にしています。
【本文】
人類の歴史は、相當長い。未だ特定できていないが、少なくとも四五〇萬年前に人類が誕生していることは確認されている。
ヒトが、日常行う生活動作を十分營むことが出來なくなり、それを「病気」と捉えたときから「醫療」が始まったと考える。
二〇世紀後半より「ギリシャの醫學」が「西洋の醫學」の基本思想に於いて土台となり、世界の中心的役割を担うようになったが、身體を捉える考え方は、「中國の醫學」、「インドの醫學」、「チベットの醫學」、「アラビアの醫學」などと比較して異なっている。それに伴い「醫療」も異なっている。
世界で行われている「醫療」は多種多樣である。細かな點の違いを含めて考えると、「醫學」と「醫療」は、國の數・地域の數・ヒトの數ほどあると認識している。
「鍼灸醫療」を行う現場にいる論者は、「病気」を取り除き、健康體を獲得することを目的として「醫療」を行っているが、同じ目的で行っていることでも、僅かに異なる思想の違いが、大きく異なる醫療技術を生み出す原因に繋がっていることを實感しているからである。
(つづく)